握りの基礎固め⑦ 鮨さいとうに学ぶ。鮨さいとうを真似る。

最近自分の寿司が旨いとか言って、天狗になってました、すきやばしさぶろーでございます。

あまりに自分で握った寿司が美味しいので、とあるミシュラン一つ星の店より良いとか言って、調子に乗って大変すみませんでした。嘘を言ったわけではないのですが、人間として大切な、謙虚さを忘れておりました。

でも、美味しいのは本当なんです。例えばこれ。

マグロの脳天8日間自宅熟成@真空チルドの漬け

じゃん! 煮切り醤油にどっぷり漬けた脳天です。もともとの質も良いのですが、熟成を経て、脂が全体に回って非常に美味(ちょっと塩分強いですが。)!

ネ タ

シャリ

美しさ

総合点

ネタの断面はこんな感じでした。塩気が強いこと以外は素晴らしい出来。

動画を撮影し、己の所作の汚さを恥じる。

これなら、人様に寿司をお出ししても恥ずかしくないなと思っていた自信満々の折、妻の一言。「所作が美しくないから、まだ人前で握らない方が良いよ。」

何を! と思って、久しぶりに動画撮影してみました。

たしかに。。

とろい、汚い、ぎこちない。正直、こんなにみっともない姿とは思っていませんでした。まだまだ、教科書を見よう見まねでやってる感がありますね。

これは、変な癖がつかないうちに、早急に改善しなければなりません。

鮨さいとうの所作

そこで、我が国最高峰の寿司店、鮨さいとうです。

行ったことないですけど、斉藤さんの凄いところは、手数が少なく美しい所作なのに、鮨の仕上がりも非常に美しいということだと思います。

よく、寿司を掌の上で何度もくるくる回したり、あるいは右手で持ったり左手で持ったり(いわゆる伝統的な「本手返し」)する職人さんがいますが、たしかに触れば触るほど角が取れ形が整っていくのでしょうけれど、あんまりぺたぺた触るのは感心しませんね。

やはり寿司は食べ物ですから、「衛生的に汚い」と脳が感じれば、所作が美しく感じられなくなるというものです(「捨てシャリ」が汚く見えるのも、同じことではないでしょうか)。

そこで、鮨さいとう。もう、完璧です。

いやー、惚れ惚れしてしまいます。

今後は、斉藤さんの所作を分析し、オマージュしていこうと思います!

斉藤さんの握りの特徴

美しいのには、理由がある。

斉藤さんの動画を何度も見て、気付いた特徴は次の通りです。


①シャリに、ムギューっと穴を開けない。

「シャリに空気穴をあけるとふわっとした食感になる」と都市伝説のように言われ、多くの職人が実践していますが、内心、本当かよ?と思ってました。

これですね。百歩譲って、仮に、これで中に空洞ができたとしても、米の粒と粒の間は逆に圧迫され、ふわふわでなくなるのではないか?と日々思っておりました。

動画を見る限り、斉藤さんはやってませんね。シャリの上にちょこんと左手の親指を乗せていますが、これは穴開けではなく、ポンとはたいて整形しているのではないかと思われます。


②シャリが上を向いている段階でシャリの端を締める。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は gifmagazine2.gif です

①と同じGIF画像です。

僕もやってましたが、多くの職人は、寿司をひっくり返したあとに、シャリの両端を締めます。

これですね。でもこれ、実はめんどうで、余計な時間を食います。

たぶん、だから、さっきのGIF画像のように、斉藤さんはシャリが上を向いている段階で、トントンとはたいて両端を締める動作を済ませてしまっています。

で、ひっくり返してからは、端を締める動作を省略! なので、手数が少なくて済むのでしょうね。


③ひっくり返すのが素早い。

ここ、僕がもたもた手間取るところです。斉藤さんは、いとも簡単に、ぴょんっとひっくり返してますね!


④最後はグー。

最後は、やっぱり片手で軽くグーで整形しています。これにより、両サイドが整うとともに、ネタがせりあがって、寿司に高さが出るのではないかと。

決意表明

今から1か月間で、鮨さいとうの所作を完全に真似ます!

今後は、目の前に左右反転させた斉藤さんの動画を置いて、リピート再生の斉藤さんを鏡写しのようにして見ながら、家でしこしこと寿司を握りたいと思います!

すきやばし さぶろー

※魚の熟成については、「食品衛生に関するご注意」をお読みください。

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