前回から立て続けの「酢を選ぶ」企画です! なぜなら、飯尾醸造に酢をまとめて注文して、同時に届いたから!
今回は、同じ飯尾醸造の「富士 手巻きすし酢」です。
なお、「手巻き」との商品名になってますが、単に、これが一般消費者向け商品であることから、「家庭では、握りじゃなく手巻き」ということなんだろうと思います(「寿司は職人が握るもの」という先入観ゆえに違いないっ)。
もちろん、握り寿司にしても良いとのこと。しても良いというか、飯尾醸造五代目の好きな寿司屋が実際にやっている配合のパクリだそうです。
「富士 手巻きすし酢」とは
一般消費者向けには売っていない「赤酢プレミアム」に、「富士酢プレミアム」とふつうの「純米富士酢」をブレンドし、塩を加えた商品だそうです。十分コクがあるため砂糖不使用とのこと。
江戸前といえば赤酢(酒粕が原料)。でも、赤酢オンリーだと万人受けしないため、米酢(米が原料)とブレンドする寿司屋も多いみたいですからね、ほんと、富士酢シリーズの中でも、ドンピシャで欲しかった酢です。
なお、飯尾醸造のHPの説明はこちら。
飲んでみた。
広島県の赤酢をつかったときは、全然赤くなくてがっかりしましたが、今回は、米酢がブレンドされているにもかかわらず、しっかり色がついています。見るからに濃い。
飲んでみました。
うんんむんんん、唸りました。開かずの扉を開けたような旨さです(赤酢だけに。)!
深いコク、柔らかいながらもしっかりした酸味、さわやかさ、出汁感、バランス、凄いです。あの富士酢PREMIUMをも上回る、衝撃的な旨さですね。
大げさですが、自らの誕生に次ぐ未知の体験でした。
寿司にしてみた。
初登場! 今日から米は、岐阜県の平成30年産「はつしも」です。
特徴は、日本で1番か2番ぐらいに大粒で、粘りが少ないこと。しかもリーズナブル。自宅寿司にはもってこい!
水をかなり少なくして炊き、炊き上がり直後に、炊飯ジャーに直接すし酢を入れます。
で、ボウルに移して切るように混ぜて、しばらく放置。そのままだと冷め切ってしまうので、電源を切った炊飯ジャーに戻し、適度にホカホカにして準備完了。
これは・・・とんでもなく旨いですね。砂糖の直接的な刺激はないけれども、間接的に脳がパーっと花開くイメージです。
シャリだけで、ぐいぐい食べさせる力があります。
信じられない話かもしれませんが、シャリだけなら、そのへんの高級店と戦っても、かなりいい勝負をするものと思われます。
せっかくなので、というか最近「無添」を名乗っているので、チューブではなく、しっかりわさびをすり下ろします。
写真の握りはちょっとネタが大きすぎてシャリとの味のバランスが崩れたかもしれませんが、他の、絶妙なバランスの大きさの握りは、ホカホカのシャリとマッチして、「この方向性だ!」と容易に直感できる、息を呑む旨さです。
もっと熟成させれば、一流を超え、0.5流を目指せるかも。大いなる可能性を感じた一貫でした。
いつものマグロのお兄さんに、長浜の市民感謝デーでも良くしていただきました。マグロの大トロ(この部分、蛇腹っていうの?)です。
歯ごたえしっかりしながらも、力強い旨さ。これも熟成させたいなあ!
これビンゴ!
筋があるので、熱を加えると食べやすくなります。香ばしさもgood。
カツオは足が速く、調理が難しいですね、もともとは美味しいのに、少し魚臭さが出てしまいました。
また、包丁の切れ味もあるのでしょうが、写真右下のだらっとした感じが、まだまだですね。
酢ランキング更新!
これまで1位だった富士すし酢も、かなりの旨さだったので、正直迷いました。
もはや好みの問題で、江戸前でいきたいときは「富士 手巻きすし酢」、西日本風なら「富士 すし酢」で良いのではないかなと。
でも、どうしても順位をつけるならということで、悩んだ結果、そのまま飲んだ時の旨さで「富士 手巻きすし酢」の勝ちとします!
お見事!!
- 富士 手巻きすし酢(果たして、これを超える酢があるのか??)
- 富士 すし酢(衝撃の旨さ。)
- 純米富士酢(スーパーハイレベル。)
- 富士酢PREMIUM(飲むだけならナンバーワンだが、酢飯にすると意外とそうでもない?)
- 千鳥酢(人気者の優等生タイプ。)
- 京風すし酢(これでも十分おいしいと思います。富士酢より高いですが。)
- すきやばし次郎(酸が強すぎます。コスパも悪い。)
- 帝釈の酢(「赤酢」といいながら色が出ないです。)
- ミツカンすし酢(安いだけあって、それなりの味です。)
新チャンピオンが生まれたわけですが、改めて酢ランキングを見てみると、上位4つは全部富士酢ですね。
なぜこんなに旨いのか? 来月、飯尾醸造の蔵見学に行くので、また報告します!
すきやばし さぶろー
※魚の熟成については、「食品衛生に関するご注意」をお読みください。