鮨屋に修業は必要か?
エリザベス:では、本題に入ります。ホリエモンの著書のタイトルにもなっていますが、「鮨屋に修業は必要か?」について。さぶろーさんの中で結論は出たのでしょうか?
さぶろー:決まってんじゃん。不要だよ。むしろ、修業の弊害の方が大きい。
エリザベス:急にホリエモンみたいな口調になりましたね。弊害とは?
さぶろー:昭和時代に確立した謎の流儀とか変な癖が付くんだよ。
エリザベス:例えば?
さぶろー:まず捨てシャリだね。一度ネタにシャリを乗せてから、ネタの大きさにシャリの大きさをあわせるために、余分なシャリをつまんで、また桶に戻すやつ。
エリザベス:お爺さん職人がやってるのをよく見る〜。所作が汚いし、衛生上褒められたものではないですね。
さぶろー:あと、シャリに親指で空気穴を開ける謎の儀式とか。あんなの、ムラができて不味くなるだけ。やめた方が良いよ。
エリザベス:逆に、修業のメリットはないのですか?
さぶろー:修業したことないからわからないけど、速さは身につくんじゃない? 大量の魚を時間までに捌いたり、握ったり。あとは、有名店で修業すればハクが付くとか? いずれにせよ、10年とか長い時間かけて身に付けるものじゃ絶対ないと思う。
エリザベス:修業せずに、ちゃんと握れるようになるんですか?フワッとほどけるシャリとか。
さぶろー:なるよ。あれは握りの技術というよりも、炊飯時の水加減と、米が炊けてからの時間経過によるものがほとんど。
エリザベス:なるほど。料理不得意なさぶろーさんでもできるなら、たしかに誰でもできるのかも。
さぶろー:そう。魚の捌き方も含め、寿司に関するぜーんぶ、YouTubeを見ればわかるからね。
エリザベス:実際、修業してない店の方が美味しい?
さぶろー:全部が全部そうだとは言えないけど、その傾向はあるかもね。それか、20代でとっとと独立したとことか。とにかく、ひたすら親方や先輩の真似をし続ける日々を送った職人よりも、酢の配合とかネタの寝かせ加減とか、自分で試行錯誤の研究を一生懸命やってきた職人の方が旨いものを作れるのは確実だと思うなあ。
エリザベス:好きこそ物の上手なれとは言いますが。
さぶろー:そうね、つまるところ、寿司に興味を持ってるかどうかだよね。でもこれ、寿司に限らず料理全般に言えることか。やっぱ、寿司だけ特別ということはないんだよ。
エリザベス:あはは
賢い消費者であれ!
エリザベス:最後に、寿司を作る側、食べる側それぞれに向けてメッセージをお願いします。
さぶろー:職人になったことがないので偉そうなことは言えませんが、僕は、捨てシャリとかシャリの温度とか、よく見てますからね。気を抜かず手間を惜しまずしっかりやってほしいですね。
エリザベス:食べる側に対しては?
さぶろー:賢い消費者であるために、一度自分で寿司握ってみるのが良いんじゃないかな? ネットの口コミを読むと、けっこうトンチンカンなこと言ってる人もいるので。一度自分で作ると、きっと自分が食べてるものの価値を見直せますよ。
エリザベス:今日はありがとうございました。
さぶろー:こちらこそ。エリザベスも是非自分で握ってみなよ。
対談を終えて
昔は寿司というだけで回転寿司でもありがたがってたお兄ちゃん、この一年ですっかり一家言持った人に変わっていました笑
なんとゆーか、いろんな人から反感買いそうな発言ばかりで、たぶん印象は悪いんだろーけど、でもきっと、10年後には、これがメジャーな考え方になるんだろうな☆ と思わざるを得ません。
何につけても、時代の変わり目ってこんな感じなんじゃないかな?
すきやばし エリザベス
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